認知症で精神病院に入院したじいちゃんのブログ

認知症で精神病院に入院した86歳のじいちゃんの日々の変化などを孫の俺が書いていきます。

【帰るのを諦めたじいちゃん】久しぶりに夕方にじいちゃんの面会に行きました

どうもコウイチです。


久しぶりに夕方にじいちゃんの面会に行ってきました!


夕方の面会といえば、入院当初の頃は、


・帰りたいと言って興奮する

・興奮すると睡眠に影響が出る


という理由で、できるだけ日中に来るようにお願いされたくらいヤバい時間帯の面会でした。


じいちゃんが入院したのが1月16日だから、それから約1ヶ月半が経ちました。


前回のブログ『じいちゃんが精神病院に入院後、初めてお母が面会に行きました』 で、お母が面会に行った時、じいちゃんはかなり精神病院の入院生活に慣れて、


「帰りたい」


とも言わなかったと書きました。


それを確かめたいというのもあり、あえて夕方に行きたかったのもあります。


仕事が終わって、そのまま直行でじいちゃんの病院に向かった。


いつものように受付で面会に来たことを言って、じいちゃんの認知症病棟に連絡を入れてもらい病棟に行った。


ドアを開けてもらうと、夕食は終わったようで、何人かのおじいちゃん、おばあちゃんがテレビをみたり、2、3人で机に座ってたりと各々の時間を過ごしていた。


じいちゃんは夕飯を食い終わって、自分の部屋に居るようだった。


看護師さんに案内してもらいじいちゃんの部屋に行った。


鍵は掛かってなく部屋のドアは、フルオープンだった。


中にじいちゃんが居た。


「じいちゃん来たで(^o^)/!」


俺はいつもの様に元気よくじいちゃんの部屋に入った。


じいちゃんは、急に来た俺に少し驚いたような表情をしたが、


「おう」


と俺を認識してくれた。


先週の日曜日は用事があって面会に行けなかったから、じいちゃんと会うのは約2週間ぶりだった。


でも、痩せたりヨボヨボになったりすることはなく、2週間前のじいちゃんと同じだった。


安心した。


しいて言えば髪がかなり伸びていた。


で、問題の


夕方面会=興奮する


という事は、一切なく落ち着いている様子だった。


そして、興奮する事もなければ、面会に行くとじいちゃんは第一声に、


「いつ帰れるんじゃ」


と言うのが毎回のパターンだったけど、驚いた事に今日はそれを言わなかった。


お母が言ってた事は本当だった。


それで、実は今日はじいちゃんに教えてほしいことがいくつかあって、それもあり面会に行った。


その教えてほしいというのは、田んぼの事で、去年まではじいちゃんの監督の元、米を作ってたけど、今年はじいちゃんがこんな調子だから俺が1人で米を作ることになった。


もちろん、1人で米を作るのは初めてで、いつもじいちゃんの作業を見ていると言っても、実際に自分1人でやるとなると分からないことが沢山だった。


今日教えてほしかったのは、田植えをする前段階の、「肥料撒き」についてだった。


俺は疑問に思ってた事を、早速じいちゃんに聞いてみた。


「じいちゃん、田んぼの肥料って毎年どこで買うん?」


すると、じいちゃんは、


「肥料はジュンテンドー(ホームセンター)が安いからジュンテンドーで買え」


と的確な回答をしてくれたのだった。


俺は驚いた。


認知症が進行しているのは確かで、人格も変わってしまったけど、田んぼの事についての記憶はバッチリだった。


じいちゃんは、続けて俺にアドバイスをくれた。


「肥料は1反(1つの田んぼ)に30キロ撒くんじゃぞ」


「肥料撒く機械の燃料は混合入れーよ」


「肥料撒いたらトラクターで混ぜろよ」


バッチリだった。


というか、驚いたのは、全くボケている感じがしなかった事だった。


じいちゃんのアドバイスには認知症の影響でのおかしな点は1ミリもなく、全て的確な正しい事だった。


肥料について分からない事が多かった俺の疑問は、瞬時に解決した。


やっぱりじいちゃんはスゲーと素直に思った。


その後も、じいちゃんは、「これは、こうしろ」「あれは、こうしろよ」とイキイキしながら俺に田んぼについてのアドバイスをくれた。


俺は、認知症になる前のじいちゃんを思い出し、めちゃくちゃ嬉しかった。


話をしている時、俺とじいちゃんは、じいちゃんのベッドに並んで座って話をしてたんだけど、それも何か嬉しかった。


たぶん、


いつもなら「帰る!」と言って興奮しながら部屋から出ていたじいちゃんが、ベッドに俺と座って落ち着いて話をしている姿が嬉しかったんだと思う。


じいちゃんは、田んぼの事について一通り話すと少しおかしな事を言いだした。


「〇〇代表取締役が、もうすぐここから出してくれるんじゃ」


〇〇代表取締役とは、じいちゃんが40歳くらいから定年まで言っていた土木会社の社長だった。


でも、じいちゃんは興奮した感じはなく、落ち着いた様子で話していた。


(やっぱり入院から1ヶ月半経っても、じいちゃん帰りたいんやな、、、)


俺は、じいちゃんがかわいそうになった。


でも、この時思ったのが、じいちゃんは「帰る事を諦めた」気がした。


いつまで待っても帰れないし、鍵が掛かっているから外にも出れない。


じいちゃんは、


「わしは、ここに閉じ込められてしまった。」


「もう外には出れん」


と帰る事を諦めた気がした。


「早よ帰らせろ!」


「いつ帰れるんじゃ!」


と興奮しなくなったのは正直嬉しいけど、でも何だか、やけにかわいそうな気持ちになった。


そんなじいちゃんに俺は、


「そうか(^o^)!ほな、社長さん来てくれるの待っとこか!」


と話を合わせた。


するとじいちゃんは、


「おう(^_^)」


とうなづいた。


マジで泣きそうになった。


そして、15分くらい話しただろうか。


「じいちゃんが、ほなそういうことや」


と話を締めたので、今日は帰る事にした。


俺は帰る時に、


「じいちゃん、田んぼの事で分からんことがあったらまた来るし教えてな(^o^)!」


と言うと、じいちゃんは、


「分かった。また来い(^_^)」


と言ってくれた。


そして、部屋の外まで俺を送ってくれて、俺は帰った。


今日俺が感じたのは、じいちゃんは、


「病院に慣れて帰りたいと言わなくなった」


のではなく、


「帰る事を諦めた」


という気がマジで凄くした。


これが入院に慣れるという事なのかもしれないけど、何だか凄くかわいそうな気持ちなった。


そして、「帰らせろ!」「いつ帰れるんじゃ!」と言わなくなったこれから先は、できるだけ面会に行ってやろうと思った。


じいちゃんは認知症で精神病院に入院して、第2ステージに行ったのかもしれない。


「帰りたい」


「淋しい」


と思っているのは、今日面会に行っても伝わって来た。


できるものなら早く退院させてやりたい。


でも、それができないなら頻繁に面会に行って、じいちゃんを勇気付けようと思った今日の面会でした。


それでは、以上が久しぶりに行った夕方の面会になります。


「最初は帰りたいと言われますが、その内慣れられます」


と看護師さんが言ってた意味が分かった日でもありました。


おそらく、認知症で精神病院に入院した多くの方が、俺のじいちゃんのように


「仕方なく帰るのを諦める」


というふうになるのだと思います。


これについて俺は、「慣れる」とは少し違うような気がします。


でも、今は入院してもらっておくことしかできません。


じいちゃんが淋しくないように、できるだけ行ってやりたいと思います。


今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

じいちゃんが精神病院に入院後、初めてお母が面会に行きました

どうもコウイチです。


じいちゃん入院後、お母が初めて面会に行きました。


1月16日の入院から、面会に行ったのが2月27日なので、1ヶ月10日ぶりの再会です。


この日、お母はじいちゃんの入院費用を支払いに病院に行って、そのついでに面会に行ったようです。


初めての面会がこれほど期間が空いてしまったのは、お母的に、


「おじいちゃんを入院させたのは私」


という罪悪感のようなものがあって、なかなか行きにくかったようです。


で、もし面会に行っても、じいちゃんに、


「ワシをなんでこんな所に入れたんじゃ!」


と言われるかもしれないという不安や、「何を話したらいいか分からない」ということからズルズルと面会に行けなくなったようでした。


でも、じいちゃんの事は毎日気になっていたようで、夢にまでじいちゃんが出てきていたようです(笑)


この日お母は、じいちゃんの好きな桜餅を持って、「何を言われても良い」という覚悟で面会に行ったと言ってました。


事前に俺が、じいちゃんは痩せもしてないし、特に認知症が悪化している様子もないと言っていたので、そこの所は安心して行ったようでした。


入院費用の支払いを済まし、意を決してじいちゃんのいる認知症病棟に行ったお母でしたが、その心配は完全に無駄な心配だったようです。


この日、お母の面会は昼間だったのですが、認知症病棟の入ると、じいちゃんは交流スペースの机に、他のおじいちゃんと3人で座っていて、楽しそうに何か話していたようです。


これを聞いた時は俺もビックリしました。


入院後スグは、あれほど孤独でほとんど部屋で寝ていたじいちゃんが、他のじいちゃんと居たのです。


しかも、楽しそうに何か話していたとまで進化していたのです。


そして、お母がじいちゃん達のところに行くと、お母に気がついたじいちゃんは、


「おう(*^_^*)お前どっから入ってきた?鍵かかっとったやろ?」


と1ヶ月ぶりにも関わらず、全然普通の対応だったようです。


そして、


「これはワシの娘じゃ(*^_^*)」


と一緒にいたおじいちゃん達にも紹介までしたようです。


何を言われるかビクビクしていたお母の不安も一瞬で吹っ飛んだようです。


そして、お母が


「元気にしとるか?」


とじいちゃんに聞くと、


「おう、どっこもエラない(*^_^*)」


と会話も普通にできたようです。


で、面会に行った時のじいちゃん恒例の


「いつ帰れるんじゃ?」


の質問ですが、なんとこの日は一度もそれを言わなかったようです。


マジで驚きです。


完全に慣れたとしか言いようがないです。


そして、お母は持って入った桜餅をじいちゃんに見せると、めちゃくちゃ喜んだようです。


ちなみにじいちゃんの認知症病棟は、差し入れはOKなのですが、


「食べる時は部屋で1人で食べて、食べ終わるまで家族が付き添う」


というルールがあります。


これは、もし差し入れに持って入ったお菓子などをじいちゃんが他のおじいちゃん達に配った時に、他のおじいちゃん達が喉に詰まらせたりしないようにです。


じいちゃんの認知症病棟は、この辺は徹底しており、アメ1個でさえ家族がいない時に食べる事は禁止されています。


そして部屋で桜餅を食べたじいちゃんは、


「あー、うまかった(^_^)!」


と穏やかに言ったようでした。


そして、その後もお母は、部屋で10分程じいちゃんと話したと言っていました。


話の中で、


「今は寒いから、もうちょっとここ(精神病院)に置いてもらいな」


「暖かくなったら退院しよか」


と言うと、じいちゃんは耳が遠いので聞こえていたのかは分かりませんが、何も言わずうなずいたようです。


この時の様子をお母は、少しかわいそうになったと言っていました。


しかし、マジで人間は環境に慣れるものです。


あれだけ「早く帰らせろ!」と言っていたじいちゃんが、何も言わなくなったのですから。


この日はたまたまだったのかもしれませんが、これまでなら100発100中で、


「いつ退院できるんじゃ?」


と言っていたので、かなりの進展です。


確かに看護師さんも


「1ヶ月ほど経てば入院生活にも慣れられると思いますよ」


と言っていたけど、これはマジなのかもしれません。


帰り際にお母が、


「また来るでな(^_^)」


と部屋を出る時に手をふったようです。


すると、じいちゃんも


「おう(*^_^*)」


と言って、照れくさそうに手をふり返したようです。


じいちゃんは、昔から鬼武者のようにクールだったので、おそらくお母とじいちゃんが手をふり合ったのは、これが初めてではないかと思います。


お母も、じいちゃんが手をふってくれた事を強調して俺に言っていたので、よっぽど嬉しかったのだと思います。


お母は、この日じいちゃんの面会に行って、


「あー、やっと肩の荷がおりた」


とスッキリしていました。


おそらく、面会に1度も行っていないことでかなり悩んでいたのだと思います。


そして、


「また行ってやろう」


とも言っていました。


じいちゃんからすれば、やっぱり自分の子供に来てもらうのが一番嬉しいと思います。


俺でもそうです。


もし俺が入院したとすれば、子供が来てくれるのが一番嬉しいと思います。


話すことが無くても、「来てくれた」というだけで元気が出ます。


入院から1ヶ月10日、じいちゃんはかなり改善しています。


じいちゃんこのまま良くなってくれよ。


それでは、以上がお母が初めて面会に行ったときのお話です。


俺も明日仕事帰りにじいちゃんに会いに行ってみようと思います。


今日も最後までお読みいただきありがとうございます(*^_^*)