認知症がムカつく、、、酷くなるじいちゃんの異常行動
どうもコウイチです。
11月の終わりに急にかなりヤバくなったじいちゃん。
これまで、1日置きに飯を作りにいってたお母も、とりあえず毎日じいちゃんの様子を見に行く様になった。
お母は車の免許は持っているけど、車はお父しか持ってないから、車を使う時はお父を仕事に送ってお母が車を乗って帰るという面倒くさいことをしている。
お母も仕事に行っているけど、行き帰りは送迎があるから車はいらないようだ。
それで、じいちゃんの家に飯とかを作りに行く時は、だいたい俺が仕事が終わってからお母を迎えに行って、俺と一緒にじいちゃんの家に行く。
じいちゃんの認知症が急激に進んでからは、ほぼ毎日お母を迎えに行ってじいちゃんの家に行った。
そんなある日だった。
いつものようにお母と仕事帰りにじいちゃんの家に行った時、玄関のまわりが何か水をまいたように濡れていた。
「ん?じいちゃん水でもまいたのか??」
違う。
何か変なニオイがする。
「なんやこの臭いは??」
そう、じいちゃんが玄関の周りにまいていたのは、
灯油だった。
!!!
俺とお母は背筋が凍りついた。
じいちゃんは、急激におかしくなった日から毎日様子を見に行っていたが、武器を部屋に運び出すスイッチが入るのは決まって「夜」で日中は特に何ともなかった。
日中は飯も自分で食べて、薬も決まった時間になると自分で飲んでいた。
でも、この日は違った。
日中にスイッチが入ったのか、俺達が到着した夕方には、部屋に大量の武器(鉄パイプやハンマーまど)をすでに運んでいた。
俺はじいちゃんを問いただした。
そして、さすがに灯油はヤバいと思いじいちゃんを怒ってしまった。
「じいちゃん!!これ何まいた!!」
「これ灯油違うか!!」
は!と思ったけど、強めにじいちゃんに言ってしまった。
すると、じいちゃんもキレて、
「○○が来るからまいたんじゃ!!」
と怒鳴り始めた。
ダメだと分かっていたけど、すかさず俺も言い返した。
「〇〇なんて来んて!!灯油は絶対あかん!!」
「火事になったらどうするや!!」
怒鳴る俺に対してじいちゃんは、かなり興奮して、
「うるさい!!だまれ!!」
と怒鳴った。
・認知症の人を怒ってはいけない
・認知症の人を否定してはいけない
分かっていたけど、この時ばかりは自分の感情を抑えられなかった。
そして、認知症に対して当たり所のない怒りを感じた。
じいちゃんの部屋を見ると、いつものように大量の武器が散乱していたけど、その中に灯油のポリ缶もあった。
俺はすかさず灯油のポリ缶を持って、外にもって出ようとした。
するとじいちゃんが、
「あかん!!置いとけ!!」
と奇声を上げた。
でも、さすがに灯油はダメだ。
これだけは見逃してはいけない。
火をつけなかっただけ奇蹟だ。
今日は死んだばあちゃんが助けてくれた。
俺は、じいちゃんのいう事など完全に無視してポリ缶を持ちだして、じいちゃんの分からない所に隠した。
しかし、じいちゃんはそのポリ缶を狂ったように探し出した。
俺は、もう泣きたい気分だった。
興奮して探しまくるじいちゃん。
おそらく見つかるまで収まらないだろう。
そこで、俺は策を思いついた。
「部屋にポリ缶があればじいちゃんは落ち着く」
「それなら、ダミーのポリ缶で騙そう」
俺は、じいちゃん家の倉庫にあったトラクターなどに使う軽油やガソリンなどは全部隠した。
その代わり、空のポリ缶に「水」を入れてじいちゃんの目の着くところに置いておいた。
成功した。
じいちゃんは、俺にばれないようにそっと、その水の入ったポリ缶を自分の部屋に運び、俺にバレたら怒られるから布団をかけて隠していた。
作戦的にはダメだと思ったけど、こうでもしないとじいちゃんの興奮は収まらなかった。
こうやってこの日は何とかやり過ごした。
この頃のじいちゃんは、異常行動をするのは夜だけで、日中は普通だった。
どうも、夕方暗くなってくると、「誰かが襲ってくる」などの被害妄想が出てきて、異常行動のスイッチが入る感じだった。
そして朝方明るくなると、興奮が収まり、運んだ武器を自分で外に運ぶのだった。
運んだ武器を自分で外に運び出すということは、おそらく、自分でもダメなことをしているのだと理解しているのだと思う。
でも、スイッチが入ってしまうと、認知症の影響で自分を止めれないだと思う。
マジで認知症ムカつく。
じいちゃんの認知症のためにできる1番ベストな事は、
・お母、お父がじいちゃんの家に住む
という事だと思うけど、スグにはなかなかそうもいかない。
お父の仕事の関係もあるし、住むとなると色々な問題が出てくる。
そんな事いってる場合ではないのは、お母も分かっていたけどスグには住めないというのが現状だった。
じいちゃんの夜飲む薬には睡眠導入剤も入っている。
だから、夜はまだ寝るから飯を作り、薬を飲むのを確認すると、俺とお母は帰っていた。
でも徐々にそれもできなくなりそうな予感はしていた。
じいちゃんが急激におかしくなったのは、通っている病院の先生にも相談した。
でも、夢と現実がごっちゃになっているとの事で、それに対する薬を出してもらう程度しか対策がなかった。
それと先生が言うには、
・じいちゃんの気を紛らわすのが大切
ということだった。
じいちゃんのスイッチが入らないように、「何か仕事などをさせて、それについて考えさせて被害妄想が起こらないようにして下さい」という事だった。
ハッキリ言って無理だ。
日中は、お母も俺も仕事だからじいちゃんのそばにはいれない。
でもお母は、色々考えて、じいちゃんの家から帰る時に紙に
「畑の草を抜いといて」
とか色々書いていたけど、実際にじいちゃんがやるかは分からない。
でも、日中いない分それくらいしかできないから、お母は思い付く限りの事を紙に書いて置いて帰っていた。
そして、この頃からじいちゃんの老人ホームなども考え出した。
老人ホームに入るには、介護認定や介護度なども関係してくるから、せめてデイサービスだけでも行けないか。
デイサービスに行けば気も紛れて少しはマシになるんじゃないか。
忙しくなりそうだけど、頑張ろう。
じいちゃんはおかしくなったけど、全ては認知症のせいでじいちゃんの意志ではないと思うと、じいちゃんを何とか助けてやりたい気持ちでいっぱいだった。