認知症で精神病院に入院したじいちゃんのブログ

認知症で精神病院に入院した86歳のじいちゃんの日々の変化などを孫の俺が書いていきます。

【入院3日目】そう上手くはいかないのが認知症

どうもコウイチです。


精神病院に入院して2日目で劇的な改善を見せたじいちゃん。


昨日は、家に帰ってお母に電話してその話をすると、


「ほんまか!何があったんやろ?薬かなぁ?」


「このまま良くなってくれたらいいのになぁ(*^_^*)」


と驚き&喜んでいた。


そして、入院3日目である今日も仕事終りにじいちゃんの面会に行ってみる事にした。


今日は、娘は家で遊びたいから行かないということで俺一人で行ってみる事にした。


「じいちゃん今日も機嫌いいやろか」


「まぁ3日も入院してたら、だんだん慣れてくるからなぁ」


「それとも、環境が変わったから被害妄想もしなくなったのかもな」


俺は、そんな事を考えながら今日も昨日と同じじいちゃんである事を疑いもせず病院に行った。


今日は、娘を迎えに行かなくてもよかったから、会社から直で病院に行った。


すると、その分いつもより早く病院についた。


受付を済まし、3階のじいちゃんの認知症フロアに行く。


インターホンを鳴らし、看護師さんにカギを開けて持って中に入ると、夕食タイムだった。


いつもは、ちょうど飯の後くらいに行くのだけど、今日は早く着いたからまだ飯中だった。


じいちゃんの入院している精神病院は、朝、昼、晩のご飯は交流ルームで、みんな一緒に食べるスタイルだった。


交流ルームには机が20~30並べてあって、そこで2人~4人くらい座って食べるスタイルだ。


入院しているおじいちゃん、おばあちゃんは全員で58人いらっしゃるという事で、その日も沢山のおじいちゃん、おばあちゃんがご飯を食べていた。


見た目には、マジで老人ホームとどこも変わりない風景だった。


そんな沢山のおじいちゃん、おばあちゃんの中、じいちゃんを探した。


じいちゃんが居た。


じいちゃんは、小さめの机にもう一人のおじいちゃんと2人で飯を食っていた。


「じいちゃん!来たで(*^^*)」


俺はじいちゃんの所へ行って、じいちゃんの方をたたいた。


すると、じいちゃんは、


「お前、どこから入ってきたんじゃ!」


と怒ったように俺に言った。



(なんかおかしい、、、)


「どっこもカギ掛かっとったぞ!」


「どこから入って来たんじゃ!」


じいちゃんは興奮しながら俺にそう言ってきた。


じいちゃんをよく見ると、少し小刻みに震えながら、目が少し充血してた。


俺は、すぐに分かった。


じいちゃんが、凶暴化の認知症スイッチが入っていることを。


興奮しながら話すじいちゃんの話の内容を聞くと、どうやら日中に外に出ようと(帰ろうと?)してドアというドアを開けようとしたみたいだ。


でも、この認知症のフロアは、勝手に外に出れないように出入り口には全てカギがされている。


だから、「閉じ込められた」という事で、じいちゃんはスイッチが入ったような感じだった。


「もう今日は絶対帰らしてくれよ!」


「ワシは帰るぞ!」


じいちゃんはかなり興奮し始めた。


飯も途中だったけど、急ぐあまり魚のフライを手で食べ始めた。


「じいちゃん、お箸使いなん。急いで食ったらノド詰まるで(*^^*)」


俺は、なんとかじいちゃんを落ち着かせようと、穏やかにじいちゃんを説得した。


が、じいちゃんは止まらない。


「今日は帰るっ!!」


いきなり、ドでかい声で叫んだ。


周りにいたおじいちゃん、おばあちゃんもビックリしたようで、俺とじいちゃんの方をみんな見た。


看護師さんは、飯の片付けが忙しかったのか、よくある事で慣れているのか、特に反応しなかった。


俺は、とりあえずじいちゃんを説得した。


「じいちゃん、もう少しで帰れるから(^_-)」


「先生にも、もう一回見てもらわなあかんし」


「俺がおるし大丈夫や(*^^)v」


すると、じいちゃんは、


「先生なんかおらん!」


「あいつは網走の監獄入っとる!!」


と、どうしたらそんな発想ができるのか尊敬するほど、おもしろい返しをしてきた。


(先生が網走監獄って、、、笑)


俺はこの状況にも関わらず、少し笑ってしまった。


そして、その後も


「じいちゃん、大丈夫や。スグ退院できるって(*^_^*)」


「今帰ったら、またスグ入院せんなんで」


と、穏やかに何度も説得すると、じいちゃんは観念したのか、


「分かった!ほな明日は絶対帰るぞ!」


と、何とか納得してくれた。


そして、


「もう寝る!」


と言って、自分の部屋に帰り始めた。


俺は、じいちゃんを部屋まで送って、


「また来るからな(*^_^*)」


と部屋を出た。


(なんでや、、、)


(昨日はあんなに穏やかなじいちゃんやったのに、、、)


俺はこの日、認知症の深さを身を持って実感させられた。


帰りにドアのカギを開けてもらう時、少し看護師さんと話ができた。


「日中のじいちゃんの様子どうですか?」


聞いてみると、


「そうですねぇ、やっぱり波はありますね」


「話してくれる時は機嫌よく話してくれるんですけど、帰る!と怒られる時もあります」


「まだ環境に慣れておられないのですね」


やっぱり、まだ入院3日目ということで慣れていないのと、いつ帰れるか分からないイラ立ちから、波があるようだった。


でもこれは、認知症で精神病院にされる方の「あるある」のようでもあった。


「慣れたら、昨日のじいちゃんみたいな日が続くのかなぁ」


俺は、昨日と今日のじいちゃんの変わりようを見て、出口の見えないトンネルを突っ走っているような気分だった。


「まぁ、そんなことも言ってられないな。一番つらいのはきっとじいちゃんなんだし」


俺は自分に言い聞かし、病院をあとにした。

 


以上が、入院3日目のじいちゃんになります。


認知症はマジで奥が深いです。


今は機嫌よくても、1時間後にいきなりキレるなどもよくある話だと思います。


でもその逆もあり、機嫌が悪くても、いきなり良くなることもあります。


良い機嫌が続く様に、じいちゃんをサポートしてやりたいです。