認知症で精神病院に入院したじいちゃんのブログ

認知症で精神病院に入院した86歳のじいちゃんの日々の変化などを孫の俺が書いていきます。

【入院5日目】認知症精神病院の「負のスパイラル」

どうもコウイチです。


入院4日目に暴れてしまって部屋にカギを掛けられたじいちゃん。


俺は、心配になって次の日の仕事終りにじいちゃんの様子を見に行くことにした。


この日は、娘と嫁も行くと行ったので、3人でじいちゃんの面会に行くことにした。


病院について、いつものように体温を測り、3階の認知症フロアに行くと、そこにはじいちゃんの姿は無かった。


実は、この日も朝からじいちゃんは部屋にカギをかけられている状態だった。


看護師さんに話を聞くと、昨日の午前中にイスを持ち上げて大声を出してから、その日は丸一日部屋にカギを掛けられていたようだった。


そして、今日は朝は落ち着いていたからカギを開けてもらってみたいなんだけど、午前11時ごろにまた興奮しだしたから部屋に入れてカギを掛けられたようだった。


ちなみに飯は部屋に持って行ってもらえるから飯の心配は大丈夫だった。


看護師さんに、


「どうしますか?興奮されているかもしれませんが面会されますか?」


俺は昨日からじいちゃんが心配だったから


「大丈夫です。面会させて下さい」


と言って、じいちゃんに会うことにした。


部屋のドアは窓が付いているから中の様子を見る事もできる。


外からじいちゃんの部屋をみると、ベッドに座ってこっちを見ているじいちゃんがいた。


視点が合っていない。


俺は外から見てもじいちゃんが興奮しているのは分かった。


カギを開けてもらってドアを開けて中に入った。


すると、第一声、


「おい!今、外に自衛隊が迎えに来とるんじゃ!」


「早よ!ここから出せぇい!!」


じいちゃんは、怒鳴るように言った。


俺は、じいちゃんの話はスルーして


「じいちゃん、来たで(*^_^*)」


「調子どうや?」


と穏やかに言ってみた。


じいちゃんは、


「早よ外に出させぇ!自衛隊が迎えに来とんじゃ!!」


とまるで会話にならなかった。


ベッドに横に飯が運んできてあったが、手をつけた様子は全くなかった。


「じいちゃん、ご飯は?食べなあかんよ」


そうじいちゃんに言ってみると、


「〇〇(俺の弟)が腹減った言うとるから置いとんじゃ!今来よる!」


と俺の弟が食べにくるから置いてるということだった。


「いつ帰れるんじゃ!」


「先生は網走監獄に入れられたでもうワシは帰るっ!」


興奮が収まらないじいちゃん。


目は充血して、体も小刻みに震えていた。


見かねた看護師さんが、


「今日は、これ以上は無理そうですねぇ、、、」


と、俺達に言った。


認知症で興奮状態にある場合は、話せば話すほど、どんどん興奮するから話を止めて一旦一人にした方が良いということだった。


じいちゃんがかわいそうだったけど、今日は仕方なく帰る事にした。


時間にして5分ほどしか面会できなかった。


部屋を出て、看護師さんと少し話をした。


「これまでにじいちゃんみたいな認知症の方っておられましたか?」


すると看護師さんは、


「そうですね。〇〇さんと同じように妄想や興奮がひどかった方は過去に1人だけおられました」


(一人だけ...)


(マジかーーーー!!)


心の中で俺は、ずっこけた。


この看護師さんがここで働きだしてどれくらいなのかは知らないけど、なんと、じいちゃんみたいな認知症のタイプは過去に1人だけだと言うのだ。


すかさず俺は、


「一人だけですが!?その方は精神病院になれるまでどれくらいかかりましたか?」


と聞いてみた。


すると、看護師さんは、


「3カ月くらいは毎日興奮されて暴言や暴力的な行動がありました」


と説明してくれた。


(3カ月って、、、)


(そんな掛かったんや、、、長すぎるやろ、、、)


俺は期間を聞いただけなのになんだか凄く疲れた。


認知症は進行を抑えることはできても、治すことはできない。


それに、このまま何にも無い部屋にカギを掛けられる機会が増えると、認知症が良くなるどころかカギを掛けられて閉じ込められるたびに悪化していきそうな気がした。


暴れる

部屋にカギを掛けられる

何も無い部屋に閉じ込めれる事で被害妄想など認知症が進行

カギを開けてもらってもまた暴れる

部屋にカギを掛けられる


まさに負のスパイラルだ。


これから先じいちゃんどうなるんやろ、、、


この日は、そんな不安がデカくなった日だった。